なんか増えてきてない? 「相互リンクお願い」問い合わせ
サイトに問い合わせフォームを設置することはもはや珍しくありません。私も仕事で複数管理していますが最近、相互リンクしないかという趣旨の問い合わせがよく来るようになりました。
しかし明らかにジャンルが異なるサイトからで、かつどれも似たようなテンプレ内容です。明らかにサイトの中身を見ることなく、フォーム目がけて送りまくっていることは明らか。実質的にスパムです。
そこでこの記事では、こうした相互リンクお願いへの対応、相互リンクのSEO効果のほか、WordPressの問い合わせフォームプラグイン「Contact Form 7」で、こうした相互リンクスパムを撃退する方法について解説します。
- 相互リンクお願いの問い合わせって何だ?
- 大体こんなテンプレ文章
- 文面やリンク先サイトの共通項
- 相互リンクはSEO対策になるけど、質が問題
- 関連性のないリンクはスパム扱いに
- 素性の知れない相手との相互リンクはむしろマイナス
- 現代SEOの鉄則はリンクよりも言及
- リンクがなくても評価される
- ユーザーにとってのノイズを排除
- (あくまで私見)背後に悪意はないか? 特殊詐欺の一端かも
- ホワイト案件を装った闇バイト?
- ロンダリングに利用される?
- 管理者には求められるのは情ではなく自制
- (中まとめ)結局、地道にコンテンツを届けるのが最良のSEO
相互リンクお願いの問い合わせって何だ?
相互リンクを求める問い合わせの内容は、だいたい下記のようなテンプレで送られてきます。
大体こんなテンプレ文章
突然のご連絡失礼いたします。xxxxxのxxxxxと申します。
かねてより貴社のサイトを拝見しておりました。細部まで丁寧に作り込まれたコンテンツ発信に、いつも深い感銘を受けております。
この度は、良質な情報を発信されている貴社と、ぜひ相互にリンクを設置させていただければと思いご連絡いたしました。
もちろん費用はいただきません。
共通の専門性を持つサイト同士でリンクを結ぶことで、検索エンジンからの評価向上や、より多くの方に貴社の魅力を知っていただく機会になれば幸いです。お忙しいところ恐れ入りますが、もしご興味をお持ちいただけましたら、貴社のリンク掲載をさせていただきますので、
簡単なご返信をいただけますと幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。連絡先:xxxxx
弊社サイト:xxxxx
よくある質問:xxxxx
一部表現等は異なりますが、趣旨は完全に同じ。サイトの内容についてとりあえず褒め、相互リンクを願い出るという流れです。
文面やリンク先サイトの共通項
これら相互リンクお願いの問い合わせには、下記の共通項が見られます。
- 受信側のサイト名や事業者名はなく「貴社」「貴サイト」「ご担当者様」などと表記して、文面がコピペ使い回しであることがうかがえる
- 受信側と業種・ジャンルで関連性が低い
- WordPressの無料テンプレート(Cocoonなど)で、サイトが構築されている
- 同じような内容で、記事が高頻度で更新されている(おそらくAI生成記事)
相互リンクはSEO対策になるけど、質が問題
ここで相互リンクがSEO対策になるのか?という問いが出てきます。結論から言えば、対策にはなるけど質に寄るということになります。
関連性のないリンクはスパム扱いに
相互リンク自体は、SEO対策の古典的手法。本来、関連性の高いサイト同士がリンクする相互リンクは、ドメインの評価を高める施策のひとつであることは確かです。
しかし現在のGoogleのアルゴリズムは、コンテンツの関連性を重視しており、質の低いリンク、つまりジャンルの違うサイト(美容系から製造業など)からの相互リンクは、不自然な操作と見なされます。
また過度な相互リンクや、リンク設置だけを目的としたリンク集ページなどは、検索順位を不当に操作する目的の「リンクプログラム」とされ、検索順位を下げる、あるいはインデックスから削除されるなどの対象になり得ます。
素性の知れない相手との相互リンクはむしろマイナス
かつては被リンク数の多さがドメインの強さとなっていました。しかしそれは2010年代までの古い常識の話。この相互リンクお願いの送信側は、この古い常識に基づいて動いている可能性があります。
現在は、質の悪いスパム的サイトからリンクを貼られることは、Googleからの評価を上げるどころか「スパムネットワーク」の一部と誤認されるおそれがあります。
また相互リンクを承諾することは、素性の知れないその相手サイトを信任することと同義。
そのサイトが将来的にアダルトサイトやフィッシングサイトに転用された場合、自身のサイトも道連れとなり、信頼性や評価がつるべ落としとなる、そんなリスクを抱えることになりかねません。
現代SEOの鉄則はリンクよりも言及
リンクの多さが評価されたかつてと違い、現在のSEOの評価軸は「言及(サイテーション Citation)」へ移行しています。
リンクがなくても評価される
Googleはリンクがなくても、ネット上のテキスト情報を解析して「話題になっているか」を把握します。
サイト名やサービス名などが、信頼性の高い別のサイトやSNSで語られていることが評価対象。ポツンと置かれたリンクより、さまざまな場で名前を出されること、言及されることの方が、信頼の証として価値を持ちます。
ユーザーにとってのノイズを排除
現在のSEOの鉄則は「ユーザーに役に立たない要素を排除すること」。
逆にスパム的な相互リンクは、ユーザーにとってのノイズとして筆頭に上げられます。相互リンクページに並んだ大量のリンクはクリックされることはない上に、Googleから「価値のない装飾」と見なされる可能性が高くなります。
(あくまで私見)背後に悪意はないか? 特殊詐欺の一端かも
この項はあくまで私見です。私はサイバー犯罪の専門家でも何でもありませんし、いささか斜に構えた見方ですが、そもそも最初から背後に悪意があるのではないかという懸念も拭えません。
WordPressの無料テンプレートを利用していることを共通項として先述しました。サイトを量産するという目的においては低コストを実現できる上、AIに記事を大量に書かせればサイトの最低限を整えるハリボテにもなります。
このスパムが持つ画一性が、状況証拠のように見えてきます。
ホワイト案件を装った闇バイト?
これら相互リンクスパムの送信側は、特殊詐欺で言うところの「受け子・出し子」の役割を担っているという可能性は考えられないでしょうか。SNSやクラウドソーシング、あるいは不透明なSEO代行業者を通じて、被リンク集めが行われている可能性です。
送信している本人は、それがスパムであり何らかの犯罪の踏み台に使われるとは夢にも思っていない。しかし大元が特定されないよう、何も知らない外部の人間を介在させる手法は、特殊詐欺の定石です。
スパム検知を遅らせ、サイト延命に利用される?
長年クリーンに運営されているサイトから、ひとつでもリンクを得る。それによってGoogleからの「ブラックリスト」入りを一時的にでも免れる。つまり、本来であればインデックス削除されるサイトがそれを免れ、最低限の信頼を維持し延命する。いわばドメインの洗浄(ロンダリング)に利用されるおそれがあります。
相互リンクがある程度そろった時点でドメインを転売、あるいはフィッシングサイトやマルウェア配布サイトにまるっと差し替える…そんな手法が考えられます。
管理者には求められるのは情ではなく自制
特にAIの台頭によって、まさかと思われる手法が容易となり、また悪意と隣り合わせで伝播することは珍しいことではなくなりました。
いきなり犯罪の入口に直面するという事態も頭の片隅に置かざるを得ない状況。「相互リンクぐらいならいいか」と思わせる心理的ハードルの低さから、「毒饅頭を食わされる」ことにまでつながりかねません。
もちろん可能性の域は出ませんが、何かあった時の被害者は自身のサイトとその読者。フォーム管理者に求められる姿勢は「丁寧な文面だから」「一生懸命そうだから」などと情をかけることではなく、冷徹な自制です。
正体が不確かな相手からの相互リンク依頼は、まともに対応せず一律に遮断する。それが最も公平で安全なリスク管理である、と言えるのではないでしょうか。
(中まとめ)結局、地道にコンテンツを届けるのが最良のSEO
以上、相互リンクお願いスパムへの対応の心構えでした。
Googleの評価軸は被リンク数から「ユーザーの検索意図をしっかり満たしているか」へ移行しています。
簡単なリンク交換という近道を選ばず、コンテンツを読者に送り届ける。その積み重ねがサイトの長期的な価値となり、最も誠実で確実なSEO対策と言えるでしょう。
【2】に続く
後段【2】(制作中)では実務の話に移ります。
WordPressの問い合わせフォームプラグイン「Contact Form 7」利用を前提とした撃退法をご紹介します。
フォームにバリデーションを設定。「貴サイト」「貴社」「相互リンク」といったワードが問い合わせ内容に入っていた場合、送信不可にするという方法をご紹介します。



